保護猫業界にもっとみんなが関われるための架け橋になる会社「株式会社neconote」
「保護猫と保護猫団体と一緒にビジネスをつくっていく」株式会社neconote(ネコノテ)の黛(まゆずみ)社長(以下、敬称略)に、そのネーミングに込められた想いを聞いてきました!
大好きな「広告」で大好きな「猫」を助けるため、ビジネスという手法で保護猫団体を支援
特許庁:今日はよろしくお願いいたします!まずはどのような事業をされているのか、教えていただけますか?
黛:保護猫団体の活動の自続性を高めるために、”ビジネス”という手法を使って支援をしています。具体的には、保護猫1匹1匹に投げ銭ができる推し活サービスや譲渡会の企画運営、啓発用のフリーペーパーの発行等を行っています。また、支援をしたい大手企業と団体の橋渡し等、みんなが猫のために活動しやすい環境作りをしています。
特許庁:その事業を行うきっかけはどのようなものだったのでしょうか?
黛:元々生まれる前から家で猫を飼っていて、自分にとって本当に家族として大切な存在だったので、大好きな猫を助けたい、それも自分の好きな「広告」の力でできたらいいなと思っていました。保護猫団体みんなが、お金と人手に困っていて、考え方の違い等もあり個別に活動している姿を見て、 「保護猫団体に対する広告代理店」というどこの組織にも属さない第三者的な立場で保護猫団体全体に向き合っていくことで、業界の底上げができ、たくさんの猫を助けられると考え、始めました。
名前は、”自分の思考の圧縮ファイル”。嘘をつかずにしっかりと向き合って
特許庁:ネーミングは、どのように行ったのでしょうか?
黛:元々は「chát」という屋号で個人事業主として事業を行っていました。おしゃべりを意味する「チャット」と文字が同じで、「キャット」と同じイントネーションで、フランス語では「猫」を表す言葉なんです。保護猫というシリアスな話題をみんながおしゃべりするような状態にしたい、社会と保護猫とのコミュニケーションの在り方が変われば好転すると思って、その名前を使っていました。
でも、活動を続ける中で、コミュニケーションを変えるだけでは足りないと気がつきました。やはり、保護猫団体が、足を引っ張り合うのではなく、手を取り合っていく、その環境を作ることが大事と考えるようになりました。そのような想いから、「猫の手も借りたい」ということわざを借りて「neconote」という名前にしました。
特許庁:なるほど!目指すものにあわせた名前に変えたわけですね。
黛:名前は、自分の思考の圧縮ファイルだと思っています。 社会をどうしたいのか?という点を突き詰めて、ギュギュっと凝縮していって生まれるのが名前だと思っています。自分に嘘をつかずにネーミングとしっかり向き合って決める。ある意味「儀式」であり、「契約」のようなものだと思っています。手法論的なネーミングより、内発的なネーミングが好きだったので、自分一人で考えていきました。
特許庁:特にこだわったところはありますか?
黛:ネコを「neko」ではなく「neco」と綴るところはこだわりました。「co」の文字は英語で「一緒に」という意味を表すので、一緒になにかをやっていこうという想いを込めています。その意味を伝えるために、アルファベットで表すことは決めていました。
あと、「neconote」と何度も書いていたら、後ろの「note」が「ノート」と読めるな、と気がつき、当社の主要事業である保護猫の推し活サービスの名前は、同じ綴りをハイフンを挟んで表記する「neco-note」(ネコノート)にしました。これに気づいたことで、一層愛着が湧いてきました!
特許庁:「neconote」という名前をつけて良かったことはどんなことですか?
黛:しっかりと自分がやりたいことが伝わる名前だということが一番です。ミッションを表す北極星のような役割を果たしてくれる。猫に関する事業とすぐわかってもらえますし、「猫の手を借りたい」ということわざから取っていることもあり、親しみやすい点も良かったと思います。
商標登録は、「安心」を得るために手を抜けないプロセス
特許庁:商標登録しようとしたきっかけは、なにかあったのでしょうか?
黛:広告関連の会社でインターンをしていたことから、学生時代から知的財産に馴染みがあったので、商標制度のことは頭にあって、これだけ想いをこめて作った名前なので、まさか使えなくなったら・・・という守りの観点が強かったです。確かに忙しかったですが、そこで手を抜くことのリスクに対して優先度が高かったので、起業の際に出願しました。「猫の手」という会社が多くあるのは知っていたので、 後続に対する牽制球を投げておきたいという考えもありました。
特許庁:出願はどのようにされたんですか?
黛:出願は専門家を紹介してもらって行いました。出願の際に指定するサービスの表示は、実際のサービスの内容に応じた独自の表現にしましたが、やりたいことが明確だったので、うまく表せたのかと思います。
特許庁:会社名のみならずサービス名の「neco-note」も登録されてますよね!
黛:「neconote」と異なり特殊な名前だから登録する必要はないかなとも思いましたが、やはり後からひっくり返されるとしんどいので。ひとつ商標を取って登録に対するハードルは下がっていたので、 障壁はなかったです。登録料はかかりましたが、「安心を買う」と考えれば、高いとは全く思いませんでした。
描いていた世界を実現するため、手を取り合って事業を育成。
特許庁:最後に、これからやりたいこととか、目指していることがあれば、聞かせてください。
黛:創業当時、描いていたものをまだ実現できていないと考えています。実現するため、もっと事業を大きくしていかなければならない。そのため、多くの保護猫団体や企業と一緒に事業を育てていくのが大切なので、手を取り合う、最初に考えた気持ちに立ち返って、色んなところと協業していくことが、これからやっていきたい部分になります。
株式会社neconote(ネコノテ)
<主な登録商標>
第6589586号