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地域と人を結びつけるきっかけを、“お手伝い×旅”という形で生み出し続けている。それが「おてつたび」。

あまり知られていないけど、驚くほど魅力あふれる地域はまだまだたくさん。一方、そういう地域は、少子高齢化や過疎化により、人手不足で困っていることも多い。多くの人が気軽に”お手伝い”を通じて地域に入り込み、第2、第3の故郷をつくってもらえるきっかけを生み出し続けている「おてつたび」さん。代表の永岡さん(以下、敬称略)に、そのネーミングに込められた想いを聞いてきました!

ワクワクの気持ちをもって地域に来てもらう特別な”旅”で地域の課題を解決!

特許庁:今日はよろしくお願いいたします!早速ですが、「おてつたび」ではどのような事業をされているのか、教えていただけますか?
 
永岡:「おてつたび」は、「お手伝い」と「旅」を組み合わせた造語で、地域に人を呼び込み、地域のファンを増やして、活性化していくことを目指した事業になります。具体的には、季節により一時的な人材不足に陥りがちな1次産業や観光業等のお手伝いをしてもらう代わりに、無料で宿泊してもらったり、賃金をもらえたりするので、気軽に「旅」をしてもらえます。 
私は三重県の尾鷲市出身で、「どこそこ?」と言われてしまう地域なのですが、実はとても良いところで、魅力があって。だから、全国の「どこそこ?」と言われてしまう地域に人が行き、魅力を知ってもらえる仕組みをつくりたいと思って始めました。徐々に広がってきて、いまは、日本全国約1000カ所の受け入れ先があります。
 
特許庁:「旅」というアイデアとっても素敵ですね!
 
永岡: ”ワクワク”する気持ちで地域に関わってほしい、という想いがあって、「旅」というアイデアになりました。お手伝いを通じて地域にぐっと入りこめますし、多世代交流も同時に経験できたり、普通の旅では味わえない魅力があります!旅から戻ってくる頃に、その地域が自分にとって特別な地域になっていてくれたらなと思っています。

「地域の人に愛してもらいやすい」を大切に、やりたいことをしっかりと表しているネーミングを!

特許庁:「お手伝い+旅」で「おてつたび」というネーミングはどのように産まれたのでしょうか?
 
永岡:起業する半年くらい前に、当時手伝ってくれていたメンバー数名とディスカッションしていたときに出てきました。最初は、横文字とかアルファベットの頭文字を取ったスタートアップっぽいかっこいい名前も考えたんですけどね(笑)。でもやっぱり、地域の人にわかりやすくて、愛されるようなネーミングがいいな、ということで「おてつたび」に決めました。
 
特許庁:愛されるネーミング、素敵ですね!この名前にして良かったなと思ったことはなにかありましたか?
 
永岡:地域の人の記憶に残りやすいことですかね。もし英語だったら、どこかで聞いても流れていっちゃってたかもしれないですが、なんとなく頭の片隅に残ってくれているのを感じます。あとは、自分がつくりたいサービスをしっかりと体現してくれている言葉という点も重要ですね。
 
特許庁:「お手伝い」という言葉を使っているのにも、なにか理由はありますか?
 
永岡:「お手伝い」という言葉は、身近なもので、上下関係なく対等な関係で、というようなイメージがあると思うので、それが目指している地域との関係性と合っているな、と思っています!

気に入りすぎた名前を守るため、安心してPRできるように、早くから商標登録を意識

特許庁:そんな想いの込められた素敵な名前。商標登録しようとしたきっかけは、なにかあったのでしょうか?
 
永岡:かなり早い段階から商標登録しなくては、という意識はありました。「おてつたび」の言葉が気に入りすぎてしまって、使えなくなっちゃったら嫌だという一心でしたね(笑) ただ、商標という言葉は知っていたのですが、実際出願するのに、「誰に聞いたら良いの?」「いくらかかるの?」等、よくわからないまま、1年くらいずるずると。
 
特許庁:その後、なにか出願に向かうきっかけがあったんでしょうか?
 
永岡:弁理士の方に無料相談できる機会があって、そこで「自分でも取れる」と言われ、自分で書類を作成して出願しました。仕組みを理解するのに少し時間がかかりましたし、どの区分で権利を取れば良いのかわからなくて、そこだけ相談に乗ってもらいました。

特許庁:商標登録、やってみてどうでしたか?
 
永岡:最初「拒絶理由通知」が来たときにはかなり焦りました。「拒絶」という言葉のインパクトが強すぎて(笑)でも、審査官の方に電話してみたら、丁寧に説明してくれて、無事登録までいくことができました。
 
特許庁:商標登録して良かったことって、なにかありますか?
 
永岡:安心してPRできるようになったことですね。知ってほしいけど、認知度あがってしまうと誰かに先に商標登録されちゃうかも・・・という不安をもちながらやらなくていい、というのが大きかったです。「おてつたび」で新しいカルチャーをつくっていきたい、という想いでやっていたので、登録できて、安心できました。
 
特許庁:世の中に広めていきたいからこそ、商標登録しておくのが大事ですよね。
 
永岡:実際、関係ない企業が「おてつたび」というハッシュタグを勝手に使っている事例が出てきています。ユーザーさんにとっては、「おてつたび」だと思ったら違ったということになって困ってしまうので、使用している方に「ユーザーが勘違いするのでお控えください」と伝えたり、SNSの運営会社に対応を求めたりしています。懸念していたことが実際に起きていて、登録しておいて良かったなと本当に思います。

もっと拡大して、日本全国の地域と人を温かい関係で繋いでいきたい

特許庁:最後に、これから目指していることがあれば、聞かせてください!
 
永岡:いま、全国1000カ所でやっていますが、全国の自治体の数と比べても、まだまだ足りないと思っています。同じような課題をもっている地域は多くあると思いますので、その解決策として「おてつたび」があるということを知ってもらい、もっと拡大していければいいなと思っています。
誰でも、どんなものでも、どのような地域でも、”ありのまま”の良さがあると信じています。変に繕わず、偽らず、ネームバリューや流行に惑わされないでそのままの良さを互いが分かり合い認め合える・・・そんな温かい関係と優しさが溢れる世界をつくっていきたいと思います。


株式会社おてつたび

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