一人の人が複数の顔を持つことが当たり前になってきた現代社会の強い味方、デジタル名刺「プレーリーカード(Prairie Card)」。
スマートフォンにタッチするだけで多様な情報が交換できるデジタル名刺「プレーリーカード(Prairie Card)」を提供する株式会社スタジオプレーリーの共同代表である坂木茜音さん(以下、敬称略)に、そのネーミングに込められた想いを聞いてきました!
デジタル名刺で、名刺交換文化をアップデートし、コミュニケーションを豊かにする!
特許庁: お忙しい中ありがとうございます!「プレーリーカード」、友人が使っていて気になっていたので興味津々なのですが、改めて、事業について教えていただけますか?
坂木:デジタル名刺といわれるもので、ICチップが入ったカードを、スマートフォンにタッチするだけで、自分の情報を相手に伝えることができるカードになります。名刺に記載される名前や連絡先、肩書きだけでなく、出身地や趣味等の個人の背景、営業資料やWEBサイトなど会社の背景など、紙の名刺では伝えきれない多くの情報を伝えることができます。さらに、ペーパーレスで紙資源を節約できるという特徴があります。実は、「名刺交換」の文化は160年ほど前にできてから変わっておらず、これだけ世の中が変化しているのだから、アップデートできる余地があるのでは?と考え、「新しい出会いの文化を創造してコミュニケーションを豊かにする」というミッションを掲げて取り組んでいます。
特許庁:始めたきっかけはどのようなものだったのでしょう?
坂木:シェアハウスで一緒に住んでいたアーティストの友人の活動を応援するために、作品を伝えるための”名刺”をプレゼントしたいと思って作ったのがきっかけで、他の住人にもプレゼントしたところ、周りの友達からも「ほしい!」という声をたくさんもらい、事業化することにしました。口コミやSNSで広がっていき、今ではスタートアップ・経営者・個人事業主やクリエイターの方々が名刺をプレーリーカードに変えてくれるのはもちろん、法人需要も高く、保険会社の営業マンの方や展示会での活用、店舗のショップカードとして使ってくれたり、自治体さんで導入いただいたりと、使い方がどんどん広がっているのが嬉しいです!
サービス名は、「世界観の入口」であるとても大切なもの。親しみやすさあふれる、誰にとっても寄り添ってもらえるものに。
特許庁:「プレーリーカード」というサービス名はどのように決めていったのでしょうか?
坂木:めちゃくちゃ悩みましたね(笑)いろいろ考えた結果、丸くて温かみのある親しみやすい感じ&キャラクターを作りやすいという観点から、動物をモチーフにしたものがいいなぁ、と思いつつ悩んでいたところ、ある朝、共同代表の相方が「プレーリードッグだ!」とひらめいたんです。理由を聞いてみると、プレーリードッグの習性で挨拶の時に、鼻と鼻をタッチするのが、カードとスマートフォンをタッチするこのサービスにぴったりということで、、、いいじゃん!と(笑)
特許庁:すごいひらめきですね!他に決め手となったことはありましたか?
坂木:そうですね。呼んだときの軽やかな感じだったり、覚えてもらいやすく、スタイリッシュすぎないところも気に入ったポイントでした。あとは、他にプレーリードッグをモチーフにした会社がなかったので、差別化できるという点も大きかったですし、β版をリリースした際に、ユーザーさんが「プレーリー」と略して気軽に使ってくれたり、「プレってる」と動詞化して使ってくれているのもすごく嬉しかったです!
特許庁:いろいろな要素にぴったりハマった感じですね!ネーミングを大事にしているのがすごく伝わってきます。
坂木:機能以外で差別化するのが大事なポイントですし、人との出会いを大切にしているので、サービスの「世界観の入口」であるサービス名はとても大切にしています。プレーリーカードの由来もカードを届ける際にメッセージとして添えていて、それをSNSでシェアしてくれる人も多いんです。より多くの人に寄り添えるサービスにしたいので、老若男女誰にとっても寄り添えるサービス名に、という想いもクリアできた感じはあります!
仲間からの助言をもとに商標登録!頑丈な盾を得て、安心して前を向いて走れるように!
特許庁:ネーミングの際に商標登録はどのように意識していましたか?
坂木:権利をどう守っていくか、どうやって侵害しないようにするか、はすごく大事に考えていて、インターネット上や登録商標の検索サイトを調べて、似たものがないことをそもそものネーミングの条件の一つにしていました。やっぱり後出しになると、たとえ自分たちが独自に考えたとしても、周りから見ると、真似をしているように感じられてしまうので。
特許庁:商標登録したきっかけはなんだったのでしょうか?
坂木:周りにいた仲間から助言をもらったのが大きかったですね。問題がおきると後々大変なので先に商標登録しておいた方が良い、ということを怖い体験談みたいな感じで繰り返し話を聞いていたのが効きました。穴のない権利を取るために弁理士に依頼して登録しました。
特許庁:商標登録して感じたことはどのようなものでしょうか?
坂木:信頼を得ることができるという点では非常にありがたいです。商標権だけではないですが、「ちゃんと権利を持ってます」と取引相手に言えることはとても大事と実感しています。商標権が頑丈な盾になってくれるおかげで、安心して前を向いて走れるという感覚もあります!
多様性がある社会に応じた、「豊かな出会い」を作り出せるように!
特許庁:最後に、今追いかけている夢があれば、聞かせてください。
坂木:ミッションに掲げている「豊かな出会いを作る」という想いが一番ですね。最近の日本では、転職や副業等、様々な組織に属し、一人の人が複数の顔を持つというのが当たり前の社会になってきている中で、より素敵な出会いを生み出せるようにしていきたいです。そして、そこに「プレーリーカード」があって、「プレってる」のがみんなの当たり前になっていればいいなと思います。あと、いつかプレーリードッグと一緒に住みたいですね! 感謝の意味を込めて(笑)!
株式会社スタジオプレーリー