借りたいヒトのやりたい想いと貸したいヒトの想いをつなぐ不動産WEBサービス「さかさま不動産」
“逆転の発想で空き家問題の解決を図る”、物件を借りて挑戦したいことがある人が、想いを可視化して貸主を募集する不動産マッチングサービス「さかさま不動産」について、株式会社On-Coの代表取締役である水谷岳史さん(以下、敬称略)に、そのネーミングに込められた想いを聞いてきました!
借りたい人の情報を開示し、貸したい人に選んでもらう、”逆”のサービス
特許庁:今日はありがとうございます!どのような事業をやっていらっしゃるか教えていただけますか?
水谷:借りたいヒトのやりたい想いと貸したいヒトの想いをつなぐ不動産WEBサービス「さかさま不動産」を提供しています。空き家を探している人と空き家を貸したい人をマッチングするのですが、借りたい人の情報を開示して、貸したい人に選んでもらうという、普通とは逆のサービスを行っています。
特許庁:どのような経緯でこのサービスを始めたのですか?
水谷:地域の人に聞いたりして、良い物件を安くたくさん借りていたところ、「誰かいい人いない?」という相談が大家さんからたくさん来るようになったんです。話を聞いてみると、大家さんは「誰にでも貸したいと思っているわけではない」というように、情報を開示したくない人が多く、一方、借りたい人は、自分の夢や想いをたくさん持つ人 が多かった、というところからこの仕組みを考えました。
人の行動を変えようと思ったら、エンタメ性を持ってワクワクさせることがものすごく大事。名前も同じ。
特許庁:ネーミングはどのように行っていったのでしょうか?
水谷:そうですね、従来の不動産業の仕組みとは逆だよね、というところから「さかさま不動産」と名付けました。共同創業者と大喜利みたいな感じで名前の候補を出し合った結果、わかりにくいサービスをやろうとしているのだから、名前はシンプルな方が良いのでは?ということで、決めました。どれが一番面白いかっていうのも大事にしています。
特許庁:ネーミングの際のこだわりは何かありますか?面白いってところですかね?
水谷:ふざけるけど本気でやる、っていうところ、すごく大事だなと思っています。そういうスタンスで自分たちはいたいなと思っているので。特に、社会課題の解決に取り組むときは、ネガティブな言葉も多くなってしまうところですが、やっぱり、そういう時も遊びながらやった方が絶対楽しいよね、と。人の行動を変えようと思ったら、エンタメ性を持ってワクワクさせることがものすごく大事で、名前もそのようになっているのが大事ですね。
特許庁:自分たちが大切にしている概念をしっかりと伝えられるのが大事と言うことですね。
水谷:概念を使えるためには言葉が大事で、言葉だけで人のマインドを変えることはできるので、キャッチコピーや名前で社会を変えられるというのもあると思っています。名前って、意味があり、価値があり、効果があるものと思っていて、だからこそ、いつもしっかり議論して決めています。
他人に名前を使われたりするといろんな人に迷惑が。身近な人に勧められて商標登録。
特許庁:商標登録に至る経緯はどのようなものだったのでしょうか?
水谷:最初はまったく考えてなかったですね。リソースを商標登録に割くというところがやっぱり難しくて、真似されたら変えればいいくらいに思っていました。とはいえ、他人に名前を使われたりすると、いろんな人に迷惑がかかってしまうかなという思いもあって、親戚で知的財産について知っていた人に相談したのをきっかけに、商標登録することになりました。「絶対取った方がいい」と言われたので。
特許庁:商標登録したことで感じたことはありますか?
水谷:登録証もらったときは、それっぽいことしてる、っていう実感がありましたね。商標登録していますか?というように聞かれたことはまだないですが、他者で似たような名前を使い始めた事例がでてきているのは気になっています。自分たちは、この「さかさま不動産」の考え方を、逆さまにしたら社会はどう変わるのか?という点を真剣に追求しているところ、名前が類似していると類似のサービスだと勝手に思われてしまうのがやはり問題と考えていて、商標登録で少しでも守れるといいなと思っています。
逆さまの仕組みをスタンダードに感じるようにし、社会をもっと良くしていきたい。
特許庁:最後に、今追いかけている未来の話があれば、聞かせてください。
水谷:知的財産って社会が良くなるためにあるもの、って思っています。誰かの権利を守ろうというのではなく、誰かが幸せになるためのもの、と捉えています。そういう意味で、「さかさま不動産」はまだそこまでの存在になれていないと思っています。想いを発信して大家さんから選んでもらうという社会がよりスタンダードになればいいなと。さかさま不動産で探してみる、みたいなのが普通の社会にしていきたいと思っています。
株式会社On-Co
<主な登録商標>